濁草子

考えたことや良かったものをひたすら更新していく予定です。

良かったモノ・コト(2024.1)

お正月っぽいこと

今年の年始は人生で初めて一人で過ごした。年末にいつも行く飲み屋でほろ酔いになりながら「意外と一人だと悲しいからお正月っぽいことをしたいですね」と先輩に話しかけていた。その場のノリで年明けに三人で凧揚げと羽子板をすることになった。

当日、指定された公園に行くと、凧はあまりにも大きく持って来れなかったとのことで、その日は羽子板と一人が持ってきた習字道具で書き初めをすることになった。飲み屋で「本気の羽子板をしたい」と話していたので、落書き用のアイライナーとメイク落としも用意してくれていた。

 

その日は寒かったが、「お正月だし」という謎のこじつけでコンビニで缶ビールとハイボールを買って飲みながらやることにした。羽子板は初めてだったので、まずは落書きの罰なしでラリーを続けてみる。私はそもそも運動音痴なので空中に浮いた球をなかなか返すことができない。なんとか慣れてきたものの、続いて3ラリーくらいだった。

他の二人は上手くラリーを続けていたが、弾道が鋭すぎてWiiスポーツのテニスダブルスで前衛同士がひたすら打っている映像を思い出した。こんな二人に勝てるわけがない。

飲酒しながら動き回っていたので汗だくだくになり、途中で書き初めをする。私は「熱燗」と「減税」を書いた。深い意味はない。

いよいよ本気羽子板をすることに。サーブミスはカウントせず3回先に落としたら負け。勝者が敗者の顔に1個落書きできる。私はどんどん負けまくり、顔が真っ黒になった。あまりにも負けるので、最後にプリクラみたいなボーナスタイムを設けて私も相手に書かせてもらった。

その後雹が降ってきて慌てて落書きを落として近くのサイゼに駆け込んだのだが、顔にはたくさん黒いカスがついていた。

 

あとは別の友人に「もんじゃ食べない?」と言われて後日月島でもんじゃを食べた。滅多に食べないので理由を聞いたら「お正月っぽいから」と答えられた。お正月っぽいか?イカ墨もんじゃがめちゃめちゃ美味しかった。

 

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門前仲町はしご酒

今年の目標の一つが東京五大煮込みを制覇すること。その目標をXで掲げていたらお誘いいただき、門前仲町で飲むことになった。お相手はバーで一回飲んで盛り上がった方だったのだが、会って二回目とは思えない感覚だった。

五大煮込みの一つ「大坂屋」に行くために16時に店前で待ち合わせをしていた。「開かないねえ」とかなんとか話していたら、向かいの薬局の人が出てきて「電気点かないから今日開かないかもよ」とコメントしてくれた。しょぼくれつつふらふらしていたら16時からでも空いていた立ち飲み「ニューもつよし」を発見。食券制で、ホッピーと煮込み、シロとレバーを頼んで軽く飲む。店主に突然「お釣り」と言われてなんのことかわからなかったが、券売機にお釣りを忘れていたらしい。私があまりにもわかっていないので店主も笑って、少し和やかになった。面白いのが、その後来たお客さんもそこそこお釣りを忘れていく。

 

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17時半くらい、せっかくなので近くをふらふらしてみる。「ニューもつよし」の付近があまりにもディープな飲み屋街となっていた。大学生の頃、足を踏み入れてあまりのディープさに固まって帰ってしまった辰巳新道だった。せっかくだし、と歩いていたが、時間的にまだ空いていないお店も多い。何軒かあったが、「変態おでん」という看板が出ていた「ナイスアイディア」に入ってみた。中に入ると著名人のサインが壁びっしりに書いてある。メニューはなく、ドリンクは居酒屋にあるものは大抵あるとのこと。フードはストップしないと無限に出てくるらしい。「ラーメンが〆で出るから、余力は残しておいて。」と言われ、3品食べた。この日はおでんがメインで巾着・だし巻き卵(魚粉のせ)・マグロのどこかの串を食べた。「巾着の中身、なんだと思う?」と言われ片っ端から言ってみたが全部外れ、答えはかき揚げの巾着らしい。あまりにも創造性がすごい。〆のラーメンを待っていると、突然店主のマジックショーが始まった。至近距離でクオリティが高いマジックを見せてくれて、ずっと驚きの声をあげることしかできなかった。一杯だけでやめておこうと思っていたが、あまりにもお酒が進むので胡麻焼酎を頼んだ。焼酎の中で一番好きかもしれない。マジックが続いた後で今月のラーメン・鯛ラーメンが来る。食べたことあるような澄んだスープのものではなく、ビスクのような濁ったスープで塩味的にはさっぱりしているのに濃厚で完飲してしまった。メニューがないのでお会計でビビっていたのだが、お安く済んで安心した。

 

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名残惜しくも店を後にし、当初の目的のもう一個「ぽんしゅビルヂング」に向かった。残念なことにお酒もご飯もそこそこ摂取したので、一杯だけ飲んで解散した。ナイスアイディアが特に最高だった。確実に再訪すると思う。

 

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又吉直樹トークショー

お笑い芸人のピース、そして小説家である又吉直樹市川市文学ミュージアムトークショーをやるという情報が入ってきた。無料だし、『火花』もまあ読んだことあるし……という軽い気持ちで応募したら当たったので行ってきた。

会場には50〜60代くらいの方が多く、普段文学ミュージアム(図書館に併設されているのでその利用者の方かもしれない)に足を運んでいそうな人が多い印象だった。

テーマは確か「読書・文学」みたいなざっくりとしたものだった気がする。

私は大学の頃文学部のような学部にいて、その中でもさらに文芸を学ぶような所にいたはずなのだが、活字が苦手で特に純文学が苦手だった。だが、ここ一年くらいで自己研鑽のために読書をするようになり、自分の感覚に「馴染む」本がたまにあると感じていた。この講演で少しそのことの解像度が上がった気がする。

 

印象的だったことは二つ。一つ目は言葉の由来への着目。又吉は子供の頃寝屋川市に住んでいたのだが、地名の由来について気になって図書館で調べたそうだ。昔旅人の宿泊地(寝るための屋根がある場所)として栄えていたそうで、それが今は「ベッドタウン」という、意味は少し違っても関連する別の言葉が使われていることに面白さを感じているらしい。後述するが、言葉の成り立ちの面白さを感じてまだ未視聴だった「辞書で呑む」を帰宅して観た。

もう一つは本を読むことのメリットについて。本をなぜ読むのか、なぜ好きなのかということについて、又吉は①自分の中の感覚と本の内容をすり合わせることができるから、②まだ知らない価値観を得ることができるから、と語っていた。

①は特に、何となく考えているけど言語化できないような感覚を実際に読書をすることではっきりと言語化されたことが少し前にあったので、非常に腑に落ちた。

 

また、純文学と大衆文学の違いを述べていて、大学の授業を思い出した。私は純文学の表現は好きだったものの、そもそも活字が苦手で読書自体を遠ざけていたのだが、ここ一年くらい自己研鑽で読書をしている。久々に純文学も読んでみようと思った。

 

辞書で呑む

川島明メインMCの番組で、TVerで観た。居酒屋で数名のゲストと辞書を読みながら酒を飲むという内容である。今回のテーマは「あ」。知らない言葉がたくさん飛び交っていたが、「ア式蹴球」という言葉が印象に残っている。カタカナが一文字だけいるのがなんだか可愛らしい。また、「あちゃらか」という単語が出てきたのだが、前述の羽子板をした公園の椅子に昔からの遊びがいろいろと書いてあり、その中に「おちゃらかほい」があった。「あちゃらか」も「おちゃらか」も笑い・笑わせることを軸としたもので、風土の違いで呼び方が変わったりするのかな?と疑問に思った。非常に面白い時間だった。レギュラー化してほしい。

 

 

 

PERFECT DAYS

友人と飲むことになり、アクセスの良い浅草でお店を探すことにした。「PERFECT DAYS観てないよね?」と言われて共有された店は、私が前から何となく行ってみたいと思っていた「福ちゃん」だった。そのお店が出ているのか、と思いまだ観れていなかったのでまだやっている劇場を探して観に行った。

 

ヴィム・ヴェンダース監督の映画「PERFECT DAYS」はカンヌ国際映画祭で主演の役所広司が男優賞を獲得した。私は今までアクション映画のようなド派手な映画が好きで、どんでん返しがあるようなストーリーを好んでいた。しかし、最近になって何となく自分の内側に変化があって、展開があるわけではないが描写を丁寧に描くような映画も観たいと思うようになった。前述の純文学の話と少し似ている感じはある。

あまりにも主人公の感性の美しさに終始涙を流していた気がする。それと同時に、感覚がやや鋭敏だからこその感性で自分と重ね合わせる部分もあり、喜びや楽しみだけでなく哀しみや怒りも感じやすく、なかなか大変なのかもしれないと感じた。

(一言で括ってしまうとHSPっぽさを感じた)

この映画はフィクションであり、私たちの世界と主人公の世界はもちろん別物である。ただ、私たちが主人公についてあれやこれや言うのを全く気にせずに世界を生きて欲しいという、今まで感じたことのない不思議な思考に陥った。フィクションではあるが、気づいたらドキュメンタリーとして私は観ていたのかもしれない。

本当に素敵なものを観た。

 

ライブ遠征

密度が濃かったので別の記事で書きました↓

 

dac-rano-soushi.hatenablog.com

 

 

 

これ以外にも楽しいことがたくさんあったが、あまりにも多すぎるので抜粋。

XでもインスタでもThreadsでも分散して書いているのに、内容が全部膨大になってしまう。

 

2月はSIRUP×TENDREがあるらしいし、TOMOOのライブハウスツアー先行やGREENROOMの先行も始まる。行きたいライブが多すぎて困る。既にお笑いが2本決まっているというのに。

でも地元のお寺でおみくじを引いたら大吉で「全てがのぞむままになる」と書いてあった。人生望むままにしていくぞ〜〜